2026.03.21

AIへの反動、そして人間らしさ。

販促デザイナーからの目線 〜気になった記事をピックアップ〜

AI全盛期に、なぜ「不完全さ」が刺さるのか。

デザイン系の記事を読んでいると、ある言葉が繰り返し目に飛び込んできます。
 「AI完璧主義への反動(Designed Imperfection)」というワードです。

「Midjourney、DALL-E、Figma AIなどの生成AIが普及し、グラデーションも構図も完璧に整ったビジュアルが大量に出回るようになった結果、ユーザーの目には『どれも同じに見える』という飽きが生まれている。

 

手描きの線、あえて崩したレイアウト、不揃いなタイポグラフィ——そうした『人間の手跡』に価値を見出す動きが加速している」Canvaの公式トレンドレポートも同様の潮流を指摘しており、完璧に仕上げられたAI生成ビジュアルが溢れるなかで、あえて整えない、揺らぎのある表現 がユーザーの記憶に残りやすくなっているというのです。

 

Canvaのレポートではこのトレンドを「Designed Imperfection(デザインされた不完全)」と呼び、完璧すぎない「揺らぎ」や「個性」を取り戻す動きと定義しています。DIYやコラージュ、スクラップブック風のスタイル、ステッカー、破れた紙のテクスチャ、手書き文字などが具体的な表現として挙げられています。

また別の記事では、
「AIによる画像生成が急速に普及する一方で、その反動として『人間味』を感じさせるアナログな表現が再評価される流れもあるようです。
あえて完璧さを排除した手書き風のイラストやタイポグラフィを取り入れることで、ユーザーに安心感と親近感を与え、ひいては競合との差別化にも繋がります」とあり、これは実際に現場での肌感として、昨今感じられるところでもありました。
また、デザインに関することではないのですが、80年代に爆発的に売れた“写ルンです”がリバイバルヒットしているということも、通底するものを感じます。

 

さらに、「デジタル化が進む一方で、紙媒体ならではの『質感価値』が見直されている。高級感を演出したい場合はマットコート紙や厚紙を使用し、ロゴ部分に箔押し加工を。ポップでカジュアルな印象を出すなら、ラフな質感のクラフト紙を。つまり『触れた瞬間にブランドの価値を伝える』のがポイント」という記事は、AIで作り出される“不気味の谷”を越えたビジュアルが、一時期そのクオリティ故に方々で重宝はされたものの、いささか食傷気味のきらいがある中で、やはり“触れる” “触れてみたい”という人としての本能的欲求・衝動が世界的に沸き起こってきているという潮流なのではないかと感じます。この流れを念頭に置きながら店頭施策・店頭販促ツールを考えて行くことは、今後非常に重要なことになると思われます。

 

販促デザイナーとして、この流れをどう読むか

生成AIの出現からずっと気になっていたまさにその事が顕在化している昨今。

AI生成のバナーや、ちまたに溢れているビジュアルを眺めていると、どれもクオリティは高いのに、なぜか似たような印象で埋もれてしまう。YouTubeのサムネを見ていてもそうですよね。
AIが量産できるのは「平均点以上」のデザイン。その様な中で、人の手が生む「揺らぎ」こそ、記憶に残る販促物としてお客様のココロを動かすのではないでしょうか?

たとえばチラシひとつをとっても、AIが生成する構図は確かにきれいです。
しかし、手書きの吹き出しや、わざとかすれさせた線が入った途端に「人の息吹、温もり」が生まれ、受け取った人の目を釘付けにしたりだとか、また例えばタイトルを大胆に紙面からはみ出させてみることで、よりインパクトや有機的な動きのある紙面になる・・・・等々。

Shopifyのグラフィックデザイントレンド解説もその点を裏付けており、「デザイントレンドがますます合理化され、ミニマリズム、幾何学的形状、サンセリフフォント、AI生成ビジュアルに支配されるようになったため、複雑さ、装飾性、人間の手の感覚への需要が高まっています」と記されています。

また、店頭販促と外れますが、ハンドクラフトのトレンドは特定の業種との相性が抜群に良いことも分かってきた様で、D2Cブランド、食品・飲料、クラフト系のサービス、教育etc.「人の顔が見えるビジネス」ほど、手仕事の表現が刺さるということの様です。これは、物作りをしている方々にとっては大変嬉しい流れですね。おそらくこのトレンドは比較的長期にわたって続くのではないでしょうか?AIという“黒船”によって、開かれた新しい世界のおかげで、改めて人間の素晴らしさを再確認する・・・・。

さてひるがえって店頭販促デザインの分野に戻りますと、売り場でお客様が棚に陳列されている“ある商品”を目に止める時間は僅か0.3秒と言われています。ということは、よほど何かが視線をロックしない限り、素通りされる可能性が非常に高いわけです。だからこそ、“その視線”を釘付けにする為に、私達は訴求要素の明確化からその優先順位付け、そこからフォント選定や色決めなど、“ POPに命を吹き込む ”の理念のもと、その温もりをダイレクトに届ける為の地道な作業をしています。それも生産者(商品)とお客様を繋げるPOPという存在に息吹を宿らせたいと考えているからですが、AIなら瞬時に出来るこの作業も、限られた時間内で奮闘し、脳から出た汗で出来上がったデザインと比べたら、きっと何か(感動の種類)が違っていると信じています。それは、店頭という“場”をしっかりと肌で感じられる“人”だからこその表現、たとえポスター1枚でも、売り場の雰囲気・賑わい・匂いなどを五感で感じられる人間にしかできない表現が間違いなく存在すると考えているからです。

店頭販促という直接お客様と向き合う媒体、最後の購買の一押しをする“販促ツール”をデザインする私達は、AIによって瞬時に作られるPOPや、美しくまとめられたフォーマットで作られたPOPとはひと味違う切り口をご提案することが使命です。決してAIを否定したい訳では無く、これからは店頭販促デザインという分野に、AIの力を借りながら、より購買客を魅了し、お買いものを楽しめる売り場作りを目指して努力を続けていきたいと考えています。

 


「人間らしさ」を販促に活かすために

このトレンドは、ツネオデザインの強みを改めて気付かせてくれた気がします。

 

01 【デザイン】
手描きスケッチを「下絵」として活かしたデザインフロー

販促ツールの納期はその性格上、短納期が基本です。そのためラフではなく、サムネイルという、ラフを描く前のアイデアスケッチ後、すぐにデザインに進むことも多いのですが、あえて鉛筆や筆ペンで手描きをし、その揺らぎや不揃いな線を仕上げに活用することは手段のひとつとしてよく使います。デザイナー個人個人の感性は、同じものを作ってもいわゆる〈 視覚的な“におい” 〉となって伝わります。代理店時代、大勢のデザイナーがいる中で、このデザインは誰々さんのだ、と判別できることは本当に興味深い体験でした。手練れになればなるほど、そのにおいを消そうにも、どこかで分かってしまう。AIに誰それ風のデザインでとお願いしたらそれらしく出来上がるものの、そこはまだ代替不可能な部分ではないかと思います。

 

02 【POP・パッケージ】
クラフト紙・マット加工など「紙の質感」を提案の武器に

印刷仕様の提案に「質感」という軸を加え、クラフト紙にシルクスクリーン印刷、マット加工にスポットUVで手触りを演出——こうした加工提案は、競合の「デジタル一辺倒」の提案と明確に差別化できます。受け取った瞬間に「ブランドの価値」が伝わる接点づくりも、意識している提案のひとつです。

「揺らぎ」を武器に

AIツールが当たり前になった今、「ラフな手描き」や「不揃い」は、意図した表現として、より好意的に受け手に届くようになったのではないかと思います。

ツネオデザインは、AIの効率と人の手仕事を組み合わせることで、「どこかで見たデザイン」に埋もれない販促物をつくっていきたいと考えています。この流れ、ぜひ一緒に取り入れてみませんか。

ご相談・お問い合わせはツネオデザインまでお気軽にどうぞ。

参照元一覧

01

2026年Webデザイントレンド10選|Soreiine!!

https://soreiine.jp/magazine/design/design-trend-2026/

02

Canva デザイントレンド 2026(公式)

https://www.canva.com/ja_jp/design-trends/

03

【2026年】Webデザインの最新トレンド9選|ドコドア(2026年2月)

https://docodoor.co.jp/staffblog/2026trendwebdesign/

04

【2025-2026年】いま押さえておきたいデザイントレンド|KKI DESIGN(2026年1月)

https://note.com/kki_design_/n/nea119fb697f9

05

2026年版:注目のチラシデザイントレンドとデザイン事例|アイシープ

https://i-sheep.jp/blog/flyer-design-trend/

06

最新グラフィックデザインのトレンドを先取り!【2026年版】|Shopify Japan

https://www.shopify.com/jp/blog/graphic-design-trends

07

2026年に流行るWebデザイントレンド14選|Wix Japan

https://ja.wix.com/blog/web-design-trends-2026

ツネオデザイン / 販促デザイナーからの目線 / 2026年3月21日
本記事は上記参照元をもとに、ツネオデザインが独自の視点でまとめたものです。

 

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